ある3000棟有名ビルダーに聞いた現場のリアル
あのアンケートをとった有名ビルダーには社員(営業、設計、工事担当、アフター担当、インテリアコーディネーター、事務ほか間接部門)全員で約2500人がいます。
いくら社員を教育・指導しても、それが現場で徹底されているとは限りません。そこで、研修担当部署が教育研修終了後、教えられたことが実際に現場でしっかり守られているか?徹底した現場巡回チェックを行いました。
その頻度は、毎月1回、1チーム2人で、朝から夕方まで10ヶ所ほどの現場を計4チーム回ったそうです。1日あたり40現場になります。
現場で教えられたことを実践していない現場監督と協力業者さんを見つけたら、その場で再教育をしました。
現場巡回チェックでは、研修担当部署のスタッフ自らがまず整理整頓・掃除・衛生管理やって見せます。次に協力業者の職人さんを呼んで指導します。それを繰り返した後、みんなを集めて反省会をします。できない人間には、反省会終了後、徹底的に個人指導を行います。個人指導では、基本となる身だしなみから教えられます。
「来月までにまともな髪型にしてきてください!それができなければ処分の対象になります!!」
身だしなみが改善されるまで、何度でも注意を繰り返し、これで直さない場合は現場には入れないそうです。社員であれば、部署異動などの措置が取られます。実際に提携を解除された協力業者さんもいるようです。やりすぎだと思われますか?
しかし、現場を本気で改善しようとする姿勢を見せなければ、現場の人間は変わりません。そのビルダーも必死なのです。
やる気のあふれる前向きな職人集団への変化
そのビルダーのクレームが減ってきたのは2年目からでした。
少しずつクレームが減り、お客様からお褒めの言葉をいただけるまでになりました。それまでは、お客様や上司から怒られてばかりだった社員たちや協力業者の職人さんたちは、うれしさとやりがいとで士気が上がっているように見えます。
現場巡回チェックにビクビクしながら、個別指導におびえていた人たちが、やる気のあふれる前向きな職人集団に変わっていきました。そして、もっとお客さまに喜んでもらいたいと、さらに自分たちで工夫して現場管理をするようになったといいます。
すると、アンケートでの評価も少しずつ上がりはじめました。アンケート開始から3年目経ったころには、各部門の中で「現場」が顧客満足度ナンバーワンになりました。
これほどうれしいことがあるでしょうか?社員、職人全員で大喜びして祝杯をあげたそうです。
現場を改善すれば、必ずお客様に喜んでもらえる
ビルダーの取り組みが成果となって花開きました。もちろん、受注も3年で右肩上がりの成長をとげました。
私もこの話を聞いて、よい「現場」管理が売上・利益に直結すると思うようになりました。
そして、このビルダーと同じように、他の住宅会社でも現場にお客様や会社の不満が集中しているのではないか?と考えました。
もし、そうであるなら、現場DX、建築DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めて、様々なの住宅会社の現場改善ができるのではないか?
全国の住宅会社の現場が改善されて、欠陥住宅をつかまされて悔しい思いをするお客様を減らせるのではないか?私はそう考えています。
今日まで建築現場を見続けてきて思うことは、きちんとした現場管理をしている住宅会社は非常に少ないということです。残念なことですが、私の感覚では先のビルダーのように現場管理を徹底している会社は5%にも満たないのではないでしょうか。。。
おかげさまで、これまで多くの住宅会社の現場に現場カメラを導入していただきました。
現場改善に取り組めない住宅会社のリアル
お客様のことを本当に考えている会社社長や管理職、社員、協力業社は、お客様からクレームが入ると、「自分たちを信頼して人生で一番大きな買い物をしてくださったお客様を裏切ってしまった」と反省します。
お客様の信用を失うのは、本当につらいものです。私もお客様のクレームが重なったときなど、夜も眠れず、疲れ切っていました。。。
もちろん、クレームをつけたお客様が一番つらいのですが、結果的にクレームを受けた社長や社員も心を痛めています。
自分たちが起こしたトラブルで怒られるのですから、当然といえば当然なのですが、毎日のように怒られているうちに「ああ、自分はなんてダメなのだろう、、、」と落ち込み、仕事へのやる気もなくなっていきます。
お客様からのクレームを無視したり、放置する会社では、お客様も、業者も、社員も、社長も、全員のモチベーションが下がっています。これでは誰も幸せになれません。だからこそ、良い社長はお客様の不満が集中する「現場」を改善すべく行動を起こします。
しかし、現実問題として住宅会社が現場の改善に取り組むためには、大変な労力が必要にとなります。それこそ、先にあげた有名ビルダーのように。。。
住宅会社は、自社の営業、設計、現場監督を雇っています。しかし、実際にお客様の家を建てる職人さんたちは自社の社員ではなく、協力業者であることがほとんどです。その協力業者の数ともなれば、(会社の規模にもよりますが)数百人にもおよびます。
その協力業者を管理するのが現場監督の仕事です。
ある住宅会社の社長は、「営業担当を一人前にするには、6ヶ月あれば足りる。しかし、現場監督を一人前にするには、最低でも3年かかる」と言いました。実に5倍の年月が必要という事です。これは現場担当者の肌感覚とも大体同じなのではありませんか?
また、別の住宅会社の社長は、「自社社員を教育するよりも、協力業者を教育するほうが難しい、、、」と言っています。
住宅会社が自社の「現場」環境を改善しようと思ったら、社員である現場監督と協力業者に何度も研修を受けてもらわなくてはなりません。さらに業者会などを定期的に開催して、教育→効果測定→評価→再教育のサイクルを回し続けなくてはなりません。
もちろん、現場の仕事と並行しながら進めますから、途中でイヤになってやめていく社員や業者も出てくるでしょう。。。
どんなに「現場」の教育が大変だったとしても、会社の売上・利益を上げ、未来に会社を残そうと考えている社長は「現場改善」に取り組みます。
どれほど大変だったとしても、苦労に苦労を重ねて「現場改善」が進めば、目に見えてお客様のクレームが減り、お褒めの言葉が増えることを実感できるでしょう。社員たちは喜び、仕事に精を出します。そして、それは職人たちも一緒です。現場には活気があふれ、素晴らしい状態で管理された現場は予定通りの効果で完成・お引き渡しを迎えることができます。
そうすると、みんながもっと褒められるように工夫しようと考えるようになり、現場のサービスレベルが見違えるように良くなります。
そのサービスを受けるお客様は、会社と社員、職人に信用と信頼を寄せるでしょう。お客様が幸せになることはもちろんのこと、社員や協力業者みんなが幸せになります。まさに幸せの相乗効果によって、仕事が仕事を呼び、良い口コミでさらにお客様が集まるという善循環になっていくのです。
私はこの善循環を生み出すために、何が必要なのかを常に考えて来ました。
「現場を改善し、お客様の満足度100%を実現する」を目標に掲げています。
お客様からの信用・信頼を獲得するために、最小のコストで「現場改善」の善循環サイクルをつくり上げる方法は実際にあります。現場カメラがあなたの悩みに力を与えてくれるでしょう。
主たるテーマは次の4つです。
- きれいな現場をつくる → 環境整備
- より良い品質の家をつくる → 品質管理
- 事故のない現場をつくる → 安全管理
- お客様、近隣住人が喜ぶ現場をつくる → マナー教育
ただし、この4つを実感するのに大変な管理コストが発生しては意味がありません。現場カメラなら、最小の管理コストで最大の改善パフォーマンスを実現することができます。
それと同時に何やら難しいと思っていたであろう「建築DX」まで進むので、まさに一石二鳥と言えるでしょう。
さあ、現場カメラで現場監督さんと工事業者さんの現場教育を徹底的にやる時が来ました。
視聴時間・視聴人数 無制