現場チェックポイントで住宅会社の良し悪しを見分ける
お客様のことを本当に大切にしている住宅会社の現場では、
①現場の環境整備
②現場の品質管理
③現場の安全管理
④現場でのマナー
という4つが徹底されています。この4つをおざなりにして、良い家を建てることは不可能です。
私は、この4つを徹底している会社を「現場力」がある会社と呼んでいます。どんなに営業力、設計力にすぐれた住宅会社であっても、「現場力」がなければ良い家をつくることはできません。
では、具体的にどんな部分をチェックしたら良いのでしょうか?
簡潔に説明していきましょう。
まず第一に①現場の環境整備です。これは、建築のことを知らない小学生の子どもでも一目見ればすぐにわかるでしょう。
最低条件として、
・現場まわりの道路がきれいなこと
・現場に掃除用具が準備されていること
・建築資材や建物の構造部がシートで養生され雨で濡れないようになっていること
・敷地内や室内の建築資材や工具がきちんと整理整頓されていること
・現場の端材やゴミが常に掃除されていること
があげられます。
「現場では端材やゴミが出るのが当たり前だし、資材だって置いてあるのが普通なのだからしょうがない」
「現場が汚いからといって、何が問題なんですか?」
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。。。
ですが、現場をきれいにしていない住宅会社は、お客様のことを本気で考えていない会社だと、お客様は思います。
現場で木材や建築資材を削ったり、作業していると大量の端材やゴミが出ます。それらをこまめに掃除しないと、端材やゴミが建築途中の家のさまざまなスキマに入り込んでしまいます。そして、入居後に換気などで端材やゴミが室内に紛れ込んで、室内の空気がホコリっぽくなってしまいます。小さな子どもがいる家庭などでは引き渡し後のクレームになることもあります。
また、建築資材がブルーシートなどでしっかりと養生されていないと、資材が雨ざらしになったり、日焼けして変色・変形してしまったり、傷ついたり破損することもあります。お客様が出したお金で購入した資材を現場でぞんざいに扱っている住宅会社を見て、お客様は自分たちのことを大切にしてくれる会社だと思えますか?
また、現場の室内の床に、作業用の電源コードや大工道具、クギや木片などが散らかっていると、作業の邪魔になるうえ、人が転倒して怪我をする恐れがあります。
現場の室内には、大工、内装業者、電気工事業者、キッチンやお風呂などの設備業者など、多くの協力業者さんが出入りします。それぞれの業者さんが危険な工具を使って作業したり、大きな資材や設備を運んでいるのですから、現場が散らかっているだけで危険が倍増してしまいます。作業の邪魔になる程度ならまだしも、完成部分や設置したキッチンやお風呂に傷がついてしまったら、お客様も残念な気持ちになるでしょう。さらに、怪我をしたり、死亡事故など起こってしまったら取り返しがつきません。
次は②現場の品質管理です。
一言で「品質」といっても、品質というのは一般の人から見ると非常にわかりづらい部分ですし、お客様が引き渡しの際にチェックしても見た目のきれいさに舞い上がって満足してしまうことも多いものです。
しかし、現場の品質管理が徹底されていない状態で建てられた家では、雨漏りのように、引き渡しから数ヶ月〜数年後に大きなトラブルになったり、クレームになることがあります。
ですから、防水工事をはじめとして、手抜き工事が起こらないように徹底的に確認しないといけません。ここも要チェックのポイントです。
安全管理ができていない住宅会社は選ばれない
また、③現場の安全管理には意外な落とし穴が潜んでいます。
すべての産業の中で、最も死亡事故が多いのは建設・建築業界だということをご存知ですか?
令和3年1月から12月までの労働災害による死亡者数(以下「死亡者数」という。)は867人(前年比65人・8.1%増、平成29年比(以下「29年比」という。)111人・11.3%減)と4年ぶりに増加となりました。休業4日以上の死傷者数(以下「死傷者数」という。)は149,918人(前年比18,762人・14.3%増、29年比29,458人・24.5%増)と平成10年以降で最多となりました。建設業が288人(前年比30人・11.6%増)と、全体の33%を占めています。
しかも、建築業界の死亡事故の86%は従業員29人以下の中小零細住宅会社で起きています。
信じられない人も多いでしょうが、現実、2階建て、3階建ての建築現場では、ヘルメットも被らずに作業している大工さんや協力業者さんが少なくありません。また、義務化されたフルハーネス(安全帯)を付けていなかったり、墜落防止用のネットを張っていないという現場もまだまだ多いのです。
しかし、たとえ2階建ての高さでも打ちどころが悪ければ重傷事故につながり、なかには命を落とす人もいることでしょう。
万が一にでも、死傷者が出てしまったら縁起が悪くてお客様も住みたくなくなるでしょう。。。
最近のお客様は、現場を見に行った際に、
・職人さんがしっかりヘルメットをかぶっているか?
・アゴひもをしっかり結んでいるか?
・フルハーネスを付けて高所作業しているか?
・上棟時に墜落防止用のネットを張っているか? をチェックしています。
最後に、住宅会社で最も差が出るのが、④現場でのマナーです。マナーには、職人さんの身だしなみや、挨拶(あいさつ)、話し方、近隣への配慮などが含まれます。
お客様に限らず、人は見た目や第一印象で他人を判断するものです。
職人さんの第一印象が「信用できない人だな」だったとしたら、工事が始まっても、「あの人で大丈夫だろうか?」「ちゃんと作業してくれているのだろうか?」「近所の方に失礼な態度をとっていないだろうか?」と、ことごとく不安になってしまうことでしょう。 また、職人さんが無愛想で見た目が怖かったりすると、お客様は恐怖感を覚えます。そうすると、現場で気づいたことや小さな不満があっても言い出すことができなくなります。ふつうなら、言えばその場で改善してもらえるようなことすらガマンすることになるので、ドンドン不満が蓄積されていきます。最終的には、積もり積もった不満が大爆発してしまうこともあるでしょう。
新築工事の場合、お客様が現場に出向かなければ、職人さんと顔を合わせることはほとんどありません。しかし、家が完成して引き渡しが終わると、何か修理が必要になったときや、リフォームをするときは、住んでいる家の中に職人さんたちが入ってきて作業をすることになります。奥様が一人だったり、奥様と小さなお子様しかいない平日の自宅だったりすると、印象の悪い職人さんを入れるのは嫌かもしれません。
泥だらけの靴下でずかずか上がり込んだり、無愛想でろくに挨拶もしない、作業はやりっぱなしで掃除もしないで帰るような職人さんが家に出入りすると考えるだけで、相当なストレスを感じるでしょう。 職人さんの現場でのマナー教育をしていない住宅会社だというイメージができてしまうと、このように引き渡し後の嫌な思いまで想像されてしまうことがあるのです。
逆に、身だしなみがきちんとしていて、いつも笑顔で挨拶をしてくれて、質問や要望に丁寧に応えてくれる職人さんに出会ったとき、お客様は「この人に任せておけば大丈夫だな」と思いますし、工事中も安心できるでしょう。
もし、小さな不満が出たとしても、「あの人に言えばきっと改善してくれるだろう」と思えるので、事あるごとにしっかり話し合って解決していくことができるでしょう。
もちろん、修理やリフォームのときも、安心してこの住宅会社に依頼して、家にも安心して招くことができるはずです。
ここまで、
①現場の環境整備
②現場の品質管理
③現場の安全管理
④現場でのマナー
について説明してきました。ほとんどの方は、お客様は素人(シロウト)なのだから②の品質管理や、③の安全管理については、「わかるはずがない」「難しいだろう」と思うかもしれません。
しかし、現場の資材や道具がきちんと整理整頓されていて、端材やゴミが落ちていないとか、職人さんの身だしなみが整っていて清潔感があり、気持ちのよい挨拶をしてくれる、、、といったことならばすぐにわかるのではないでしょうか?
そういう住宅会社は、品質管理も安全管理もしっかりしていると言っても過言ではありません。いつも誰かに見られている意識を持っているか?誰にいつ見られてもよいような仕事ぶりか?一流の住宅会社とそうでない住宅会社の違いはそこにあります。
家のデザインや性能、仕様、資金計画についての情報は世の中にあふれています。しかし、住宅建築の現場の見られ方についての情報や改善方法はあまりありません。
お客様から支持される住宅会社になろうと思ったら、まずは現場まわりから始めてみてください。そして、自社の「現場力」をご自分の目で見定めてください。
私はこの善循環を生み出すために、コネクトカメラの開発・運用を進めてきました。
「現場を改善し、お客様の満足度100%を実現する」を目標に掲げています。
お客様からの信用・信頼を獲得するために、最小のコストで「現場改善」の善循環サイクルをつくり上げる方法に興味はありませんか?あなたのお時間を20分ほど、私にいただければ、同じような、もしくは、さらに良い結果をあなたが達成する方法をお教えします。
「現場改善」の主たるテーマは次の4つです。
- きれいな現場をつくる → 環境整備
- より良い品質の家をつくる → 品質管理
- 事故のない現場をつくる → 安全管理
- お客様、近隣住人が喜ぶ現場をつくる → マナー教育
ただし、この4つを実感するのに大変な管理コストが発生しては意味がありません。現場監視カメラなら、最小の管理コストで最大の改善パフォーマンスを実現することができます。
それと同時に何やら難しいと思っていたであろう「建築DX」まで進むので、まさに一石二鳥と言えるでしょう。
さあ、現場リアルタイムカメラで現場監督さんと工事業者さんの現場教育を徹底的にやる時が来ました。
視聴時間・視聴人数 無制