新人が辞める

新人のキャリア構築を阻害するものがいくつかあります。それによって、せっかく採用した新人が辞める、ということが起こっています。新人のキャリアの成功を阻む要素を紹介しましょう。

あなたは、なぜ仕事をするのですか?という質問をされたならば、あなたはなんと答えるでしょうか。30代以上の人は、そもそもそのようなことを考えたことがないかもしれません。逆に、20代の人の多くは、一度は真剣に考えたことがある問いかけだと思います。

キャリア構築の上で、職業観は大きな影響を与える要素になります。仕事の目的が変われば、キャリア構築の方向も変わりますし、そもそも仕事に対して期待していないならば、キャリア構築の必要もありません。

かつての団塊の世代と団塊ジュニアを対象とした調査を行い比較したデータを見ると、団塊の世代は「家族のため(収入を得て家族を養うため)」「社会のため(人間として働くことは当然の義務)」「会社のため(会社や仲間に対する共同体感覚から会社に貢献したいと思う)」という3つの理由が明確に表れていました。定年退職を超えた年齢年齢になると、これに「健康のため」という要素が加わります。

内閣府による「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」では、日本の高齢者は欧米の国々の高齢者と比べて、「仕事そのものが楽しいから」という理由で定年退職後も働いているわけではない、という結果が出ています。

反対に団塊ジュニア以降の若い世代は、豊かになってから生まれた世代のため、「収入のために働く」という感覚がピンとこないようで、働くことが義務であるとなら感覚も薄くなります。もちろん、社会のために、という意識もありません。しかも、友達の中には卒業しても正社員として働く道を選ばずに、フリーターや無職になっている人が少なからずいます。そうなると、「なぜ自分は働くのだろう?」という素朴な疑問に悩まされることになるのです。そして、考えたあげくの結論もほぼ一つで、「自分の成長のために働く」というものになります。

新入社員を対象とした調査(リクルート2022年)では、働く目的として①安定した収入②自己キャリア開発③将来の目標への足がかり④専門性を身につける⑤社会への貢献、となっています。かろうじて「安定した収入」が1位となっていますが、2位から4位までは「自分の成長のため」というかたよった理由になっています。新人が辞める理由の1位も「仕事を通じて成長している実感が持てない」です。それだけ、自分のため、自分の成長のために働くという感覚は、当たり前のことになっています。

私は、年齢が高くなっても、もっと自分のために働いた方が良いのではないかと思っています。それは、けっして仕事に取り組む姿勢を甘いものにしたり、責任輪を果たさないということにはなりません。むしろ、「仕事は遊びじゃないんだ!」という論調の中に、仕事やキャリアへのあきらめや逃避が含まれているように思えてなりません。

仕事は収入を得る手段だから面白くなくても仕方がない、仕事は楽なものじゃないのだから嫌なことがあるのは当然だ、いくら自分がやりたいことを考えても会社がOKするかどうかは別の話、この上司の下でやる気を見せたところで評価などされないのだから仕方がない、所詮はサラリーマンなんだから会社の命令には逆らえない・・・。

このような考え方をしたら、キャリア構築も何もありません。自分のキャリアに期待すること、そして楽しむこと、夢を描くこと、それが絶対不可欠なのです。そのことを忘れて、あきらめの気持ちになることが”新人が辞める”大きな理由になるのです。

住宅会社に勤めて、一つの専門性を極めたいというキャリア志向を持つ人は、新人のおよそ半数に達すると言われています。ドライバー(M.J.Driver)のキャリアコンセプト4種類をもとに日本で調査した結果(リクルートワークス研究所 ワーキングパーソン調査)によると、「専門家として社外から一目置かれる」というキャリアコンセプトを自分のイメージにもっとも近いとした人の比率は51.9%になり、圧倒的な第1位です。特に女性は、このコンセプトに対する共感性が高く、58.9%となっています。

このようなキャリア構築は素晴らしいものですが、ややもするとキャリアを阻害する要因にもなってしまうことがあります。

自分で自分の専門(営業、設計、工務など)という小さな世界をつくってしまって、そこに閉じこもってしまうのです。「私の仕事はここまで」と勝手に区切って、それ以上のことには手を出しませんし、興味も持ちません。「これが私の専門だから」という感覚なのでしょうが、それは専門というよりは大きな仕事の中の一部分を担っているスペシャリストであるだけで、その後の発展性はありません。自分の縄張りを小さくつくり上げて、そこから出ないようにすれば楽に違いありません。しかし、それでは長いキャリアを楽しむはできないと思うのです。今担当している仕事は後輩に譲って、新しい仕事にチャレンジするべきなのです。

小さな世界に閉じこもることと、「専門家として社外から一目置かれること」とは違います。その2つを混同して、あるいは意図的に混同させて、自分の可能性の芽を摘んでしまわないようにして欲しいものです。

キャリアにとって最大のマイナスをもたらすものは、仕事のブランクです。

ブランクとは、実質的に仕事をするという行為から離れてしまっている期間を指します。たとえば、ニートの期間、長期失業の期間、育児休業の期間、専業主婦の期間などがそれにあたります。仕事をしていないと、仕事の能力が停滞するだけでなく、低下します。そして、それを取り戻すためには、長い時間がかかります。よくスポーツ選手が、1日練習を休むと、元に戻すのに2日かかると言いますが、まさしく仕事もさらに似たところがあります。

また、仕事から長期に離れていると、それ以前に形成された仕事に対するアイデンティティが揺らぎ、仕事に向かう意識が薄れてしまうのです。

実は、このブランクほどキャリアにとって怖いものはありません。

若年のもっとも成長する時期に、真剣に仕事に取り組む経験をしないと、将来にわたって大きなマイナスを背負うことになるでしょう。その期間中に仕事から離れないようにする工夫も必要だと思います。中高年になって、十分に労働市場の実態を把握しないで離職してしまうのも危険です。長期失業者になってしまう可能性が高く、失業してブランクが長くなるほど、再就職は難しくなります。定年退職時にバランスをつくってしまうことも復帰を難しくします。高齢期はブランクをつくると特に職業能力の低下が著しいからです。

継続は力です。もちろん転職などで一時的に仕事を離れることもあるでしょうが、離れても離れきらない気持ちが大事で、仕事を継続していく意欲を持っているうちは、1年を超えるようなブランクには十分注意する必要があります。

仕事に対する諦観、間違ったスペシャリスト志向、仕事のブランクなどはキャリア構築の成功を阻害します。仕事は素晴らしいものであり、楽しいものです。自分の小さな世界に閉じこもるのではなく、視界を広く持ちます。仕事で1年を超えるようなブランクは安易につくらないようにするべきです。新人にこそ、上司や先輩がこのような基本スタンスを持つことを教えることが大切です。 新入社員時代は、同期よりも先輩や上司とのタテのコミュニケーションを重視して、目の前の困難を乗り切ることが良いでしょう。そして、30歳を超える頃からは、一人前として扱われると同時に、専門領域を決める準備に入るタイミングがやってきます。このような全体を通じて、対人・対自己・対課題能力を鍛え、基礎力を完成させることがキャリアの成功につながります。

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