仕事があっても利益が上がらないのはなぜ?
「職人の教育」にお困りではありませんか?
近年、住宅業界で職人といわれる人たちが激減しています。
その理由としては、
・職人のになりたいという人が減った
・現役の職人が高齢化のため引退している
ことがあげられます。
しかし、本当の理由は別のところにあります。「職人を育成しよう」と考える住宅会社や社員がいないこと。そして、職人をしっかり育成する教育プログラムを持っている協力会社がほとんどないというのが一番な理由なのです。
建築業界では、大手ハウスメーカーやゼネコンでは請負契約を結んだ後、その大手ハウスメーカーやゼネコンが直接施工するのではなく、受注された新築工事は、経費を引かれた金額で下請けの工務店に丸投げされます。
さらに、その下請けの工務店から経費を引かれた金額で孫請けの協力業者に、そこからさらに下請けの工事業者に職種別に割り振られて発注されます。
そして最終的には、各職種の専門工事業の会社が施工することになります。専門工事業の会社の中で、施工を担当する人が職人です。各職種の技術を持った人のことを職人といいますが、技術を持たずに職人のサポートをする人は職人ではなく、単純な作業だけを行う人は「作業員」になります。この仕組みに大きな問題があるのです。
このように、建設業界では大手ハウスメーカーやゼネコンが直接施工するのではなく、最終的には職人といわれる人たちが、実際に現場で施工をする仕組みになっています。大手ハウスメーカーやゼネコン、そして下請けおよび孫請けの協力業者では、現場で働く職人はすべて外注(アウトソーシング)をしているため、自前で職人を育成することはしていません。職人を育成するには時間や費用がかかるため、自前で職人を育成しようという発想はないのです。
一方、大手ハウスメーカーやゼネコン、その下請け工務店から仕事を依頼される側である専門工事業の中小企業でも、発注会社からの受注金額の下落などで、職人育成に時間も費用もかけられない状態になっています。どこの会社も職人を育成することなく、このまま職人が減り続けていったら、数十年後には現場で働く職人が日本からいなくなってしまうでしょう。日本から職人がいなくなったら、いったいどうなってしまうのでしょう。個人的には、かなり危機感を持っているのですが、その考えも空しく、歯止めがかかることもなく、年々職人は減り続けているのです。
私が関係する大手ビルダーでも、職人の減少は深刻な問題になっています。その会社も例外ではなく、職人を育成していかなければ、間違いなく職人はいなくなってしまうと言っています。
以前、私の父は、東京西部を営業エリアとしていた工務店を経営していました。その頃と比べても職人は年々減少しています。
さらに、追い打ちをかけるように近年、ウッドショックによる木材の高騰などにより、元請け会社からの施工価格の引き下げ要求等の影響により、各社現場における職人の育成にはたいへん苦労をしています。
しかし、どんなに世の中が不況で施工価格が下落しても、なかなか利益が上がらない状態でも、職人の育成に力を入れることをやめてはいけません。それどころか、職人育成を最優先に考えるべきなのです。
なぜ、職人育成に力を入れるのか?
それは、きちんとした現場管理を求めるお客様がいるからです。私たちには、お客様に貢献しうる卓越した職人の技術が必要なのです。
この卓越した職人の技術は、簡単に真似することのできないもので、この技術を習得するにはかなりの時間と労力がかかります。インスタントに、腕の良い職人は育成できません。なにより、卓越した職人の技術は、よい現場でよい建物をつくるには欠かすことができない技術なのです。
たとえば、家をつくる際にお客様が「リビングの壁に外壁材をあしらいたい」とか、「建材には有害な物質を含まないものを使用してもらいたい」、その他にも「こんな色で、デザインはこの写真のようなイメージで」などなど、、、お客様のイメージがあったとしましょう。
お客様は、その要望やイメージを設計士に伝え、設計士はお客様と綿密な打ち合わせを積み重ねて図面を描き、カタログや写真を用いてお客様の要望やイメージしているものを、施工を担当する現場監督にわかりやすく伝えます。
そのため、現場監督と現場で実際に施工する協力業者に、豊富な材料・施工の知識と卓越した現場管理、職人の技術がなければ、お客様や設計士のイメージ通りの形にすることはできません。
そこに、お客様の私たちに対する需要があるのです。お客様は自分ではできない仕事は、その仕事ができる人たちに頼まなくてはなりません。
言い方を変えれば、お客様は自分ではできない仕事であっても、ちゃんとした住宅会社に頼むことでイメージ通りの形にすることができるわけです。
私が、いろいろな住宅会社とかかわるなかで、ある一級建築士の方に言われた言葉があります。
「私は釘を打ったことは一度もありませんが、今まで多くのお客様に設計の仕事を依頼され、たくさんの建物を手がけてきました。大工工事に関しても、さまざまな仕上がりや納まりを見ています。ですから私の頭の中には、この建物は、こんな感じの仕上げがいいのではないか?という、きちんとしたイメージが浮かびます。しかし、実際に現場で具現化しようと思っても自分ではできません。協力業者の職人さんたちに、自分のイメージを図面や写真、さまざまな表現を用いて伝えることで、協力業者の職人の力を借りて、限りなくお客様のイメージに近い仕上がりにつくりあげるのです。そして、お客様に満足していただくことが私たちの仕事なのです」
私は、その言葉に共感し、感動しました。住宅会社の仕事は、お客様のイメージを忠実に具現化することであり、そのイメージを忠実に具現化するために、現場管理の技術を磨き、知識を高める必要があるのだと感じました。
住宅会社が現場のリアルを知らないと・・・
あなたの会社の経営を考えた場合に、黒字がよくて、赤字はよくないという印象はありませんか?
しかし、赤字でもしっかり経営している会社もあれば、黒字なのに倒産する会社もあります。実際に母者を経営したことがある人なら、常に増収増益でいつも黒字という会社はほとんどないことはおわかりだと思います。黒字の時もあれば、赤字の時もあるというのが会社の経営です。
できることなら毎期増収増益、そして黒字決算ができるのが理想ですが、これは本当に難しいことなのです。会社が黒字の状態というのは、しっかりと仕事を受注して利益が取れている状態です。しかし、仕事の受注量によっては、売り上げが上がらず、利益が取れないこともあるでしょう。 この場合は、営業努力をして仕事の受注量を増やすことが重要です。しかし、仕事があるのに利益が上がらないというのは、いったいどこに問題があるのでしょうか?
実際に、私がお付き合いしている大手ビルダーでも、1000棟を超える新築があるのに利益が上がらないということが過去に何回かありました。しかも、受注した見積価格は決して安すぎるというわけではなく、悪い条件でもなかったのに利益が上がっていませんでした。原因を調査していくと、そういう現場が全国に何十ヵ所もあり、結果的に会社全体で赤字になってしまっていたのです。。。この状態が長く続くと会社の存続自体が危なくなるので、どこに問題があるのかを徹底的に調査しました。
すると驚いたことに、予算で見ていた金額よりも、多くの金額が請求され、支払われていたことがわかりました。しかも、材料費に支払われた部分ではなく、人件費に支払われていた部分(職人に支払われた部分)が予算をはるかにオーバーしていたのです。
前年までは、しっかりと予算内に収まっていたものが、なぜこのように予算をオーバーしてしまったのか?最初はよく理解できなかったのですが、一つひとつの現場を見て歩いたことで、その答えが明らかになりました。問題は意外なところにあったのです。
仕事の受注量が多く、仕事があると、職人はフル稼働で仕事をしてくれます。当然、このような時には、売り上げが伸びて利益が上がります。
これに対して、利益が上がらなかったときは、仕事の受注量が少ないにもかかわらず、仕事をしている職人の人数が変わっていなかったのです。
つまり、一人ひとりの職人が手を抜いているのです。
フル稼働の状態が100%だとしたら、60%〜70%の労力で仕事をしたのです。これは、現場にマメに足を運ばなければわからない部分です。仕事をしている職人本人も、一所懸命にやっているフリをして忙しく見えるようにしているのです。
ですから、経営者は常に営業努力(マーケティング)を行い、フル稼働できるだけの受注を生み出さなければならないのです。
この状態は、すべての住宅会社に当てはまります。
そして、フル稼働の状態が続けば、売り上げが伸びて利益が上がります。さらに、協力業者、職人一人ひとりの技術力が高まり、生産性も上がるため、会社全体の生産能力が向上します。
忙しく活気に満ちあふれた現場となり、住宅会社も協力業者も、社員も職人にとってもよい環境、よい循環が生まれるのです。
恐ろしいのは、その反対の状態です。
仕事の受注量が少ないことも問題ですが、むしろ協力業者および職人一人ひとりが手を抜いている状態に大きな問題があるのです。ダラダラと仕事をしている姿は、お客様の目にも留まります。そのような職人に問題があり、仕事が受注できなくなることだってあるかもしれません。。。
先ほど、現場にマメに足を運ぶことが大切だと言いましたが、実際のところ、経営者には職人が手を抜いてダラダラしている部分はなかなか見えないものです。
なぜかというと、経営者が現場を見に来たときだけ、職人は忙しいフリをするからです。しかし、経営者が現場を立ち去った後はまた手を抜くのです。。。
そして、経営者には見えない部分が、お客様にはよく見えているのです。そうなれば、当然のことながら次の仕事にはつながりません。
また、もう一つ問題があります。
経営者は利益が上がらないので、見積価格に問題があるのではないか?と考えて、見積価格を上げるようになります。他社よりも見積価格が高くなれば、仕事の受注はさらに難しくなってしまいます。
先ほどとは真逆の悪い循環がはじまり、協力業者、職人の技術力は低下し、サボることを覚えた職人は現場の空気を悪化させていくことになります。
この状態に陥ると、抜け出すのは難しく、長く続くと住宅会社は経営危機に陥って倒産してしまう可能性も出てきます。
ですから、経営者は現場がフル稼働できるように仕事を受注してくることが重要なのですが、ここでは、販売方法やマーケティングに焦点を当てるのではなく、現場・職場でフル稼働(100%能力を発揮)し、お客様から支持され、利益を上げられる職人を現場でどのように教育・育成するか?を考えていきます。経営者と協力業者、職人が力を合わせて信頼関係を構築できれば、最高の現場管理が実現できるのです。
職人といわれる人たちは、仕事が嫌いでサボったり、ダラダラ仕事をしたいという人は実は少ないのです。
仕事量が少ないと、無意識に作業をゆっくり進めてしまうのです。なぜなら、仕事が終わってしまうと時間を持て余してしまうからです。
現場で働く人に、仕事の量を調整してもらうのではなく、1日になるべき仕事量は、住宅会社側がある程度管理できるようにしておく必要があると考えます。
コネクトカメラの取り組みは、私が住宅会社の方々から学んだことや、経営者になって現場で職人とかかわる過程で学んだことを具現化するためのものです。
コネクトカメラが住宅会社とお客様、さらには協力業者や職人さんたちをつなぎ、少しでもお役に立つことができれば幸いです。
私はこの善循環を生み出すために、コネクトカメラの開発・運用を進めてきました。
「現場を改善し、お客様の満足度100%を実現する」を目標に掲げています。
お客様からの信用・信頼を獲得するために、最小のコストで「現場改善」の善循環サイクルをつくり上げる方法に興味はありませんか?あなたのお時間を20分ほど、私にいただければ、同じような、もしくは、さらに良い結果をあなたが達成する方法をお教えします。
「現場改善」の主たるテーマは次の4つです。
- きれいな現場をつくる → 環境整備
- より良い品質の家をつくる → 品質管理
- 事故のない現場をつくる → 安全管理
- お客様、近隣住人が喜ぶ現場をつくる → マナー教育
ただし、この4つを実感するのに大変な管理コストが発生しては意味がありません。現場監視カメラなら、最小の管理コストで最大の改善パフォーマンスを実現することができます。
それと同時に何やら難しいと思っていたであろう「建築DX」まで進むので、まさに一石二鳥と言えるでしょう。
さあ、現場リアルタイムカメラで現場監督さんと工事業者さんの現場教育を徹底的にやる時が来ました。
視聴時間・視聴人数 無制