現場みなおしDXとは

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このサイトは
ある2人の久々の再会から始まりました。

2人は20年来の友人であり、1人は自身でも工務店を経営していた事のある現場監督経験者、もう1人は全く業界の異なるIT業界の人物です。

昨今、勢いを増してきた建築DXに関して意見を交わしました。その中で、お互いの業界から見た課題が浮き彫りになりました。

建築現場側も使えれば便利だろうなと思うITのツールがある事はなんとなく知っています。しかし、それを実際に使おうとまではなかなか思いません。なぜならば、よくわからないから。横文字が多く、手順を覚えるのが大変だと感じており、今まで通り紙の図面を見ながら建物を作ったほうがずっと早いと思っています。建築業界ではその様に考えている人が非常に多いと言えます。

なかなか進まない建設業界の効率化

それに対してツールを提供するIT事業者側は、「そのくらいのことはできるはずだ。それを覚えれば劇的に効率化するんだから、それは覚えるべきだ」と言って様々な機能を盛り込んでみたりします。

開発者たちは簡単だと思っているかもしれないけれども、実際の現場ではなかなか理解するのが難しいツールが出来上がっています。

その様なツールをIT業者側が建築業界に押し付けて使わせているのではないか?だからなかなか普及が進まないのではないか。その様な疑問を2人は持つことになりました。

しかし、それは逆にチャンスなのではないかと考えました。建築側はIT業界のことがわからない。そしてIT業側は実際の建築現場のことがわかりません。もしもその隙間を、できるだけ現場側の視点に立って簡単で使いやすく、むしろ使う必要すらなく、勝手に自動化されているといった具合に出来るのならばとても有意義ではないかと考えました。

例えば、撮らなければいけない写真が勝手に撮影されていて、難しい操作を職人さんに教える必要がない。その様なことが実現できれば全く新しい可能性が広がるのではないか?そんなことを2人は話し合いました。

実はIT業者側から見たときに、建築の業界で働く人の幅はとても理解にしにくいものです。学歴だったり、家庭環境だったり、収入だったりと、それらの使用者の人物像を現実的に認識できていないと言う課題がIT開発者の前に横たわっています。

建築現場には様々な人がいます。例えば、IT業界ではメールを使って作業のやりとりをしたり、ウェブミーティングで物事のすり合せをする事は当たり前であって、今更教える必要は無いという状況でしょう。

しかし建築業界では、まだ80歳の職人が現役で第一線で活躍していることも珍しくありません。「発注は主にファックスで行う」なんて事が普通に残っています。その彼らにクラウドを利用して、建築DXが、ドローンを使って…その様な事を言っても全く伝わらないし、理解してもらえません。

建設業界の効率化の課題は
学習コストにある

また学習コストと言う課題が横たわっています。メールのやりとりすら日常的に行っていない人たちにiPad、タブレットペンを渡して、そこに表示されている図面に、「このように書き込んで、そのように写真をつけて、クラウドにアップしてください。ほら簡単でしょと?」言っても理解できず、結局はよくわからないから使わない。そんなことが発生します。

そしてIT業者側は、そんな簡単なことのになのになぜやらないのだろうと疑問に思い、残念ながら、そのシステムは使われないまま終わっていくことになります。

ここに横たわる課題が学習コストです。何かを始めるにあたって、そのための基礎知識を学ばなければならないツールは、導入していきなり使えるわけではなく、それを使うためにある一定の研修が必要なケースがとても多いです。むしろ導入時は作業量が増えてしまい、使用者側から「この忙しい時に余計なことやらせるな!」と怒られてしまうでしょう。

日々現場で汗水を流して働いている職人さん、または現場監督さん、特に年齢を重ねてきた人々、そういった人たちにとっては、この学習をするということが非常に億劫になります。

よく大手企業でも画期的な新しいシステムの導入を発表はするものの、いざ自社で運用しようとするとなるとなかなか活用が進まず、現場の担当者には「使われない」という事例を聞きます。

古いままのシステムが残っていて、両方共存してしまい余計使いにくくなった。そんな事はよくあるのではないでしょうか。そして、システムを導入する旗振り役は経営者であったり、社内でもITに明るい担当者が行ったりします。ですから、もしそのようなサービスが社内に定着しなかった場合、旗振り役は「社員のレベルが高くないから・職人が理解してくれないから」だからサービスが使えないのだ、もっとみんな勉強するべきだといった話になってしまいます。

しかし本当にそうなのでしょうか?ITツールと言うのはあくまでもツールでしかありません。包丁と同じで、ものをきれいに切断したいという目的のために包丁があるわけです。

ITツールも本当は同じではないでしょうか。現場の管理を楽にしたい。もっと正確性の高い管理品質を行っていきたい。お客様満足度を向上したい。そして、安心安全な建物づくりをしたい。そのためにITツールを利用する。あくまでもITは道具に過ぎず、カンナやユンボや電動ドリルのそれと変わらないものなのです。

だからこそ我々は、学習コストと言うことに非常に注目をしています。

建設業界とIT関係者の間にある
「何がわからないのかわからない」を発見する

なるべく今までの作業と変わらずに過ごしてもらいたい。建築業者から見たら、デジタル化が難しいと考えている事が、実はIT業者から見たらさほど難しいことではないと言うことが、たくさんあると言うこともわかりました。

課題を解決するにはまず、建築現場側の本当の悩みを見つけなければならなりません。現在はまだ、建築現場側またはIT側両方とも、お互いに「何がわからないのかわからない」と言う状態になっています。ですから私たちのように建築業者、建築経験者、施工管理者、そういった人とIT関係者が直接タッグを組むことで何がわからないのかわからないを発見する事が大切です。

建築DXと言うと、例えばAIロボットを使った資材の搬入であったり、BIM、CIMといったモデリングの技術であったり、ドローンを使った3D測量であったりと非常にハイテクなことをスーパーゼネコンが取り組んでいるニュースを多く目にします。

それ故に、中小零細企業は遠い宇宙の話をされているような気分になってしまい、その言葉だけで嫌がられてしまう事があります。でも、本質はそんなに難しいことではなく、もっと簡単なことなのです。

例えば今までの受発注がファックスだったものをメールに変える事。これ自体はDXとは言いませんが、DXを始める手前の、デジタル化への第一歩です。一気にAIロボットを使う必要はありません。一気にすべてのシステムを入れ替える必要は全くありません。

我々も建築現場に行って色々とチェックをすることがありますが、やはりA3の図面にフリクションのボールペンで書き入れたほうが早いし簡単です。確かに、iPadを使えば荷物は減るし、いろいろな図面にその場でアクセスすることも可能です。

しかしそのためには通信環境も必要であれば、ファイルを探すためのちょっとした時間、またはタッチペンが汚れてしまって反応しない、コンクリートに落としてしまい、先が潰れてしまった、そのようなことが少しだけ起こります。

小さなストレスが少しだけ起こると、その場で5分10分の時間を無駄にします。紙に書いてあれば30秒で終わることが、その処理のために5分10分に伸びてしまうといった体験を、一度でもすると、本当にこちらのほうが早いのかなあと疑問を持ったりします・

その気持ちは我々もよくわかります。しかし、逆のことがある事を見落としてはいけません。

図面に記入したものだと、事務所に戻った後に、図面をスキャンをして、名前をつけて、フォルダーに格納して整理をする、なんてことをしなければなりません。しかし、iPadを使用して、その場で図面に書き入れると事務所に帰ってからの作業がゼロになります。

ですから両方に一長一短あるわけです。そしてこれは両方使ったことがあるからこそ、わかる意見です。しかし、現場の職人さんが、両方を使ったことがない場合、デジタルの便利さをいくら説明しても不便さが先に立ってしまいなかなか理解してもらえないません。

スマホのような簡単さや便利さの実現は
建築、建設、土木業界でも十分に可能

ですからもっと簡単にできないのか?と考えています。この簡単にと言う形自体に語弊があるかもしれませんが、私たちの目指すところは簡単どころではない、それがすでに自然と自動的に行われている状態を目指したいと考えています

例えば今皆さんが使っているスマートフォンを例に考えてみます。iPhoneでもアンドロイドでもどちらでも構いませんが、そのスマホのデータの大部分は、自動的にクラウド上にバックアップされていることをご存知ですか?

もしかすると、携帯を買い換えた時に経験したことがあるかもしれません。ここ数年でスマホを買い換えている場合、データの移行がとても楽ではありませんでしたか?何やら「ログインしてください」とか「スマホの画面を新しいスマホで撮影してください」とか、そんなことを言われて、その手順通りにさ業すると、今まで使っていたスマホと同じ設定、同じアプリが入っていて、更に電話帳が入っていて写真が復元されていませんでしたか?なんて便利なんだろう。と思った記憶がありませんか?

おそらく、40代以降の方は、ガラケーを使っていた時代に、電話帳を1から全部打ち直していた、そんな時期があったと思います。または電話帳をドコモショップに行って一旦全部バックアップしてもらって、その後新しい携帯に入れ直す、そんな作業をしたかもしれません。

しかし、今のスマホは何もしないでも基本設定だけで勝手にすべてのデータ(おおよそすべてのデータ)をバックアップしてくれています。これは使用者が特に何かをしたわけではなく、技術者やメーカーがいろいろなことを考えながら実現したサービスです。

いかに簡単に、便利に、何もしないで、普通通りの生活をしていて、スマホ紛失のリスクを避けたいという一つの事例ではないでしょうか。

我々はこういったことが建築、建設、土木業界でも十分に可能であると考えています。

建築現場は、現地に行かないとものが出来上がりません。ですから、建築のリモートワークは絶対に無理だと言われ続けてきました。確かにその通りだと思います。

しかし、例えば足場を組む作業があったとします。実際の作業は、「足場を組んでいる日」だけです。それ以外は、計画の打ち合わせをして、日付を決めて、業者さんとやりとりをして、支払いの取り決めをして、契約を取り交わし・・・そのような作業がもしかすると8割かもしれません。

よくよく分解してみると、現場作業自体は、「足場を搬入して組み立てているそのひだけ」だという事が分かったりします。

実は私たちが思っている事全てが、建築現場にいなければできないと言うことでは無いのです。

足場が予定通り組み上がっているかは、今までであれば、建築現場に行って確認しなければいけなかったかもしれません。しかし今では現場カメラが登場して、それらをスマホで確認することができるようになりました。

こういったITツールの活用で、今まで現場へ10回行かなければならなかったところが、8回で済むようになったりします。これだけでも現場監督の全く動き方が変わってきます。建築業界の就業人口がどんどん減ってきている世の中です。

一気にやろうとするから、多くの人や多くの会社が挫折するのです。だからこそ、本当に小さいところから1つずつ、低コストで、試しにチャレンジしてみるだけで十分です。

子どもの運動会に参加しながら
遠隔管理ツールを使って
現場を確認することができるようになる

こんな例もあるでしょう。朝の混雑している時間帯に渋滞に巻き込まれてある現場まで1時間かかった。現地では職人さんと、今日の段取りの打ち合わせが10分で終わり、また1時間かけて別の現場に行った。それを繰り返したらもうお昼です。もし1現場だけでも移動時間を削減できれば働き方が大きく変わります。

建築業界では土曜日出社の会社が数多く残っています。様々な理由がありますが、もしかしたら効率化することで、土曜日は仕事を休めるかもしれません。

あなたは、今まで土曜日開催の子供の運動会にはなかなか参加できなかったかもしれない。でも遠隔管理のツールがあれば、2つ3つの現場は簡単に管理できるかもしれないません。

例えば土曜日、朝1番に1つの現場を現地確認に行く。そして、娘の運動会に参加し、その合間に現場カメラを使って他の2〜3現場の進捗状況を確認し、職人に指示だしをして、校庭の真ん中で綱引きに参加する。そんな事が可能かもしれません。

デジタルを味方に付ければ
現場監督、施工管理者の働き方や時間の使い方が
絶対に変わる

全てがITに置き換わるとは言いません。でも、デジタルを味方に付ければ、現場監督、施工管理者の働き方や時間の使い方は絶対に変わってきます。

そう私たちは信じています。このサイトを通じて多くの課題を見つけ、一つ一つを丁寧に解決していく。この積み重ねこそが業界を変えていく基礎工事であり、このサイトの生まれた意味であり、私たちの使命です。

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